竹田市は山間の小さな街ですが、さすが城下町という事もあり、老舗の和菓子屋さんがあって、今も美味しいお菓子を作り続けていらっしゃいました。
江戸から今に続く伝統菓子を楽しむ事が出来ました。
但馬屋老舗
大分県下で一番古い和菓子屋の但馬屋老舗さんは220年前の1804年創業!
屋号の由来は初代が但馬(現在の兵庫県)出身だったからだそうです。
初代は京都の老舗駿河屋で修業後、岡城主の中川公に召されたのが縁で、ここ岡城下の竹田の地でお店を構えているそうです。
「三笠野」
三笠野は但馬屋で一番古い歴史をもつ和菓子で、自家製こし餡を香ばしく焼いた生地で半月型に包んだお菓子です。
岡城藩主の中川久貴が、奈良の春日大社前で当時大人気だった「ひうち焼き」という菓子を好み、但馬屋さんに作らせたそうです。名前の由来も奈良にある三笠山と春日野の名前から藩主が命名したそうですよ。
食べてみると、上質なこし餡は滑らかで、甘さもほどよく上品な餡です。
そして包む生地は香ばしく、微かに蜜の風味を感じます。
「荒城の月」
荒城の月は、鮮やかな黄身餡をあわ雪で包んだお菓子で、その独特の食感がとても気に入りました。
食べると、生地は柔らかさと歯ごたえが同居するような不思議な食感で、包まれた黄身餡は滑らかでとろけるような食感が楽しめます。甘味も控えめで上品な風味がなんとも言えません。
「ちょこの月」
期間限定の「ベルギー産のチョコレートで荒城の月を包んだお菓子。
ビターチョコレートのほろ苦さと黄身餡の甘さのマリアージュに、生地のフワッ・プルの食感がたまりません。
こちらは期間限定ではなく定番にしてほしいと思いました。
ちなみに、但馬屋さん自家製餡は、地元竹田の名水である入田湧水群の湧き水を使っているそうで、大会名に”名水”が入っている竹田名水マラソンのご褒美スイーツとして最適ですよね。
これらの他にも、季節感溢れる練り切りや棹物など、魅力的な和菓子を作られています。
店内には隣接して喫茶室の「茶房だんだん」があり、抹茶や和菓子はもちろん、コーヒーやぜんさい、お昼には栗おこわや赤米粥などのランチも頂ける、落ち着いて雰囲気の良い店内で飲食が楽しめます。
川口自由堂
川口自由堂さんも歴史は古くて1866年の創業で、こちらも「三笠野」と「荒城の月」を作られています。
商標はこちらが持っているそうで、詳しいいきさつは省きますが、元は但馬屋老舗さんに勤めていた方が結婚されて川口自由堂さんにて先に商標を出願されたそう。
お菓子は同じ形状で、同じネーミングなので、やっぱり気になるので両方を食べくらべてみました。
「三笠野」
こし餡をカステラ生地で半月状に包んだ形は同じですが、餡の量と生地の厚みが違いました。
食べてみると、餡のボリュームを感じ、甘さは控えめですが但馬屋さんよりも甘い餡です。少し厚めに焼き上げた生地と相まって食べごたえがあります。
一緒に頂くお茶としては、粉茶や煎茶などの少し苦みのあるお茶が合うかなと思いました。
「荒城の月」
こちらも但馬屋さんよりも黄身餡が多く包まれていて、ひと回り大きくて厚みがあります。
食べてみると、黄身餡はとろけると言うより微かに白手亡の皮を感じる餡で、但馬屋さんよりも甘めの餡で食べごたえがあります。
食べくらべてみて
どちらも好みになりますが、「お菓子を食べたぞ」と言う食べごたえ感ならば川口自由堂さんの方で、「和菓子を楽しむ」と言う満足感なら但馬屋老舗さんでしょうか。
どちらの「三笠野」と「荒城の月」も美味しかったので、竹田を訪れた際には是非ふたつの老舗の味を楽しんで好みの方を見つけてください。
生長堂
竹田名物のひとつ「はら太餅」を作られている生長堂さん。
目印の大きな「はら太」の看板が外されていてちょっと残念でした(外壁塗装中だそう)
店内に入ると、はら太餅の他に、酒万十や蒸菓子、それになぜかみかん🍊も売っています。
頂いたのは、はら太餅、甘酒万十、あずき万十、大納言の四種類です。
「はら太餅・大納言」
名物のはら太餅は、餅粉に生地でつぶ餡を包んだ懐かしいあん餅で、焼けばお婆ちゃんが作ってくれた焼き餅そのものです。素朴な味がたまりませんでした。
意外に気に入ったのが「大納言」で、小豆の蒸菓子にラム酒を利かせたちょっと上品な大人のお菓子でした。
お聞きすると、常連さんに人気があり、この大納言を目当てにしているお客さんもいらっしゃることを聞き納得しました。
お店には切り分けたものしかありませんでしたが、これはひと棹購入してもよいくらい美味しいお菓子でした。
竹田のように昔に栄えた城下町には、老舗の美味しい和菓子屋さんがある確率が高いです。
特に竹田市の美味しいお菓子たちはまだ全国区ではないので、訪れないと食べられないまさにご当地スイーツ。
竹田市を訪れた際には是非味わってみてくださいね。
雑誌やテレビで紹介されたあの商品も!
講談社No.1グルメ雑誌 公式お取り寄せサイト「おとなの週末お取り寄せ倶楽部」
コメント